お世話になっております。
本日は、相続登記を申請する際に必要な戸籍が廃棄・消失により取得できない場合について、解説致します。
レアケースですが、たまにあります。
不動産の所有者が死亡したことにより、相続を原因とする名義変更(相続登記)の手続きをする際、不動産の名義人(被相続人)の出生から死亡までの戸籍謄本(現在戸籍、除籍謄本、改正原戸籍等)を収集して法務局に対して提出する必要があります。
それぞれの時点での本籍地のあった市町村に対して請求して収集していきますが、古い戸籍の中には、ごく稀に取得すべき戸籍が廃棄・消失により取得出来ない場合があります。
その場合、相続登記を申請する事は出来るのでしょうか。
答えは、「可能」です。
具体的には…
戸籍を提出できない場合には、市町村において「除籍等の謄本を交付することが出来ない」旨の証明書を発行して頂き、提出すべき戸籍等の代わりに、法務局に対して提出することで、相続登記を進めることになります。
つまり、該当の市町村から、戸籍を提出できない理由を証明して頂くという事です。
具体的には、廃棄証明書や焼失証明書と呼ばれる書類です。
以前は、相続人全員の、他に相続人がいない旨の上申書を提出する必要がありましたが、相続人全員による証明書を提出する事が困難な事案が増加していること等に鑑みて、上記の廃棄証明書や焼失証明書を提出すれば、相続登記を受理してもらえるようになりました。
参考まで。
「相続を証する市町村長が職務上作成した情報(不動産登記令別表の22の項添付情報欄)である除籍又は改正原戸籍(以下「除籍等」という。)の一部が滅失していることにより、その謄本を提供することができないときは、戸籍及び残存する除籍等の謄本に加え、除籍等(明治5年式戸籍(壬申戸籍)を除く。)の滅失等により、「除籍等の謄本を交付することができない」旨の市町村長の証明書が提供されていれば、相続登記を受理して差し支えない(平成28年3月11日法務省民二第219号)」
次回は、関連する似たテーマとして、本籍地が旧樺太にあった場合の相続登記の取り扱いについて、解説致します。
2024年4月からの相続登記の義務化に伴い、相続登記に関するご相談が増えております。
戸籍等をご自身で収集して相続登記を申請することも出来ますが、本日のテーマのようなイレギュラーな場面に遭遇した場合は、なかなか難しい気がします。
司法書士にご依頼を頂ければ、遺産分割協議書等の書類作成だけでなく、戸籍の収集についても、職権で行うことが出来ます。
はぎわら司法書士法人では、札幌市中央区にて、相続手続き、遺言、生前贈与等のご相談をお待ちしております。
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