期間が空いてしまいましたが、先日に引き続き、相続法の改正について解説致します。
本日は、『遺言を残した場合の相続の効力』についての改正点です。
事例を基に説明します。
遺言者である父には、子Aと子Bがいるとし、AとBが唯一の相続人である場合において、父が父名義の自宅をAに全て相続させる旨の遺言を残したものと想定します。
この場合において、A名義に相続登記をする前に、BがCに自身の法定相続分である2分の1の持分を譲渡したとします。
Aとしては遺言の効力により自宅の名義を取得していると主張し、Cとしては遺言の存在等知らず、Bから2分の1の権利を貰ったんだから、2分の1は自分のものだと主張するでしょう。
この場合、AとCのどちらの主張が認められるのでしょうか。
現行法では、法定相続分を超えて財産を取得した人が、取得した方法によって、第三者と対抗関係になるかどうかが異なります。
今回の事例のように、「相続させる」旨の遺言によって取得した場合は対抗関係にならず、Cが先に登記をしても、CがAに優先することがありません。
よって、遺言の効力が優先され、Cの主張に関わらず、Aが自宅の名義を取得することが出来ます。
しかし、今般の相続法の改正により、今回の事例のような場合でも、AはCより先に登記を備えないと、AがCに優先することがありません。
要するに、登記を先にした方の主張が優先されることになります。
なかなか実務に影響を及ぼしそうな改正ですね!
こちらは、今年の7月1日より施行されるそうです。
ちなみにですが、現行法においても、遺贈や遺産分割によってAが取得した場合は、Cとの関係において対抗関係になります。
相続の方法は、お客様の状況により異なります。
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